脳神経減圧術

  • 永廣 信治(徳島大学病院病院長)
  • 溝渕 佳史(講師)

脳や脳神経の機能障害のために異常な運動や痛みが起こることがあります。 その中で脳の動脈が脳神経(顔面神経や三叉神経)に圧迫することによって以下の症状をきたす場合、 圧迫している動脈を神経から離して減圧する手術が有効です。

 

 

 

三叉神経痛

顔や口の中、歯肉などの感覚を伝える三叉神経が血管によって圧迫された時に起こります。 電気が走るような激痛が突然片側の鼻や口のまわり、顎や歯肉などにおこり、食事や洗顔、歯磨きなどが痛みの誘引となります。 三叉神経痛の原因の多くは頭の中で血管(主に小脳の動脈)が三叉神経を圧迫していることによります(図1)。 脳神経減圧手術(2~3時間)によって脳動脈の圧迫を解除すると大部分の人(90%以上)は痛みがとれます(図2)。 これまで約100人の方に手術を行い良好な結果を得ています。ただ全身麻酔が必要な手術なので2週間程は入院が必要です。


 

 

 

 

 

顔面痙攣

片側の目の周りのぴくつきからはじまり、片方の顔の筋肉、表情筋(頬や口の周り)が収縮し、ぴくつくようになります。 ひどくなると人前に出たりストレスがかかる痙攣し、目が開きにくくなります。 原因はやはり顔面神経が脳動脈(小脳の動脈や椎骨動脈)に圧迫されているためです(図3)。 三叉神経痛と同じような減圧手術で約90%の人は痙攣が止まります。 これまで永廣が150人以上の人に手術を行っていますが、 手術の合併症も数%の人で手術側の聴力が低下する程度で、重い手術合併症は極めて稀です。

 

日本脳神経減圧術学会

http://www.japan-mvd.com/